【工具鋼の特徴】
イーメタルズではお客様のニーズに合わせた数多くの工具鋼を取り扱っています。
工具鋼は強度や耐衝撃性、耐摩耗性に優れているのが特徴です。工具鋼の化学成分には主にFe、C、Si、Mn、Cr、Mo、W、V、Co等があるが、もっともその特性に影響を与えるのが炭素(C)です。
【工具鋼の定義及び種類】
工具鋼は英語でTool Steelと表記する。工具鋼とは金属及び非金属材料の切削、塑性(そせい)加工等を行う工具ならびに冶具(じぐ)に用いられる鋼(はがね)のことを指します。JIS規格では主に炭素工具鋼、合金工具鋼、高速度工具鋼の3種があるが、用途よっては、冷間工具鋼、熱間工具鋼、プラスチック金型用鋼、高速度工具鋼にも分けられます。
1) 炭素工具鋼は、英語ではCarbon Tool Steelと表記しSK材と略記します。鉄(Fe)炭素(C)を0.55~1.5%の含有し、他に珪素(Si)を0.10~0.35%、マンガン(Mn)を0.10~0.50%を含む炭素鋼です。特別に合金元素を添加しない工具鋼です。炭素工具鋼にはSK140、SK120、SK105、SK95、SK90、SK85、SK80、SK75、SK70、SK65、SK60等があります。
2) 合金工具鋼は英語でAlloy Tool Steelと表記し、炭素鋼(SK材)にニッケル(Ni)、クロム(Cr)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)等を添加しそれぞれの特性を強化した特殊工具鋼です。炭素を0.7~2.2%を含む高炭素鋼が多いが、C0.12~0.45%の低炭素にNi、Cr、Moなどを加えたものもあります。SKS、SKDとも略記し、金型用鋼またはダイス鋼と称します。合金工具鋼材には主に①切削工具用、②耐衝撃工具用、③冷間金型用、④熱間金型用鋼材等4種があります。
3) 高速度工具鋼は、英語でHigh-Speed Steelと表記され、ハイス鋼とも呼ばれます。高炭素鋼にCr、W、Mo、V等の合金元素を比較的に多量添加し、切削工具及び金型などに用いる鋼です。そもそも切削工具用に開発された材料であるが、耐摩耗性と靭性(じんせい)を兼備した特徴を活かして金型にも使われるようになっています。SKH2、SKH10、SKH51、SKH55等の代表鋼種があります。W、Cr、V又はW、Mo、Vを多く含む鋼で靭性(じんせい)も高く、超硬ほどではないが、比較的高価な鋼(ハガネ)です。