銅タングステンについて
銅とタングステンは、含まれるマトリックス粒子が異なった構造をしていることから、互いに溶解しない特性を持っています。
その性質を生かして、粉末状やシート、棒状など色々な形状への加工が可能な為、銅タングステンは色々な工業用機械などで使われている合金です。
粉末にした銅タングステンを金型に入れて、プレスして成形を行う事により、電極やヒートシンク、電気接点のパーツの形状にする事も出来ます。
具体的な用途として、金属としては耐熱性が高く低熱膨張であり、高電気や熱伝導性も良い事合金である事から、エンジンと電気デバイスの材料として、航空・宇宙飛行の分野でも使用されており、航空機や宇宙ロケットにおける電極、耐火部品、ヒートシンク、ロケット部品などは全て銅タングステンが使用されています。
また、銅タングステンには銅とタングステンの含有比率によって10、11、12のグレードに分かれています。
10銅タングステンは45%の銅と55%のタングステンからなり、突合せ溶接電極などに使用されています。
11銅タングステンは25%の銅と75%のタングステンからなり、プロジェクション溶接用電極、突合せ溶接電極、動揺光とシーム溶接ブッシングなどに使用されています。
10グレードの物よりも強度がある為、圧力が必要であるステンレスなどのスポット溶接の低導電性鋼に使用する事も可能です。
12銅タングステンは20%の銅と80%のタングステンからなり、エレクトロフォーミングやへビーデューティプロジェクション溶接用電極、大径のワイヤーとロッドのクロスワイヤ溶接、スタッド、リベットなどに使用されています。
銅タングステンを作成する際には、高い密度、良好な焼結性、十分な熱的および電気伝導度の合金生成ができる浸潤法・焼結密度が低いながらも扱いやすい合金生成ができる高温液体焼結法・アーク炉で溶融して生成するアーク溶解法の三種類の方法があります。